低さと長さが印象的なFLTRX ロードグライド
最近のアメリカで人気なのは、チョッパースタイルのカスタムを施したツーリングモデルです。
いわゆる「バガースタイル」ですが、ハーレーダビッドソンがこのタイプのモデルを手掛けるようになったのは2006年に登場した「FLHX ストリートグライド」でした。
このFLHXストリートグライドは、FLH系の既存のモデルをベースにローダウンシートや低めのスクリーンなどを採用したスタイル重視のモデルでしたが、今回の「FLTRX ロードグライド」もそれと同じ流れを汲みます。
FLTRX ロードグライドでもローダウンシートと低めのスクリーンを採用していますが、それに加えて多数の変更点に注目です。
たとえば、ヘッドライトの前部にあったカバーを撤去しているほか、フロントタイヤが18インチにアップするとともにカウルの装着位置が上方に移動されていたり、テールランプとウインカーが一体になっていたりなど、FLTRとはさまざまな点で差別化が図られています。
そんなFLTRX ロードグライドですが、見た目の印象は低く長いことではないでしょうか。
しかし、車体サイズにはそれほど大きな変更はありません。
FLTRは全長×全幅×全高=2390×910×1395(mm)ですが、FLTRX ロードグライドは2435×930×1245(mm)となっており、軸間距離に関しては同じです。
FLTRX ロードグライドを見ると、数字以上に低く長いと感じられます。
それ以外にも、FLTRX ロードグライドにはさまざまな部分にアメリカンなスタイルを取り入れています。
たとえばメーターの文字盤がホワイトになっているところとか、トランクの金具がメッキではなくボディと同じカラーに仕上げられているところなどです。
リアの造形も個性的で、他のモデルとは違った雰囲気が感じられます。
開放感を味わえるスポーツツアラー
低いスクリーンを採用しているだけあって、FLTRX ロードグライドに乗るとその良好な視界のために非常に開放感を味わえます。
もちろんその分ダイレクトに風が当たってしまうのですが、それでも穏やかなゆったりとした気分でツーリングを楽しめるのがこのモデルの魅力です。
ハーレーダビッドソンにはたくさん選択肢が用意されており、開放感が欲しいだけなら他のモデルでもよいでしょう。
もっと快適性の高いモデルもあります。
しかしFLTRX ロードグライドは、その独特の開放感と相まってハンドリングも軽快で、このモデルでしか味わえない魅力にあふれているのも事実です。
積載能力も高くて泊りがけの長距離ツーリングにもぴったりですし、このモデルがあればバイクライフが今より充実することは間違いないでしょう。